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                                          ( 20170831送信UP)

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          原爆投下決断の理由

みなさん。これは戦争の一つの側面について語るものです。

アメリカの歴史学者ジョン・ダワー氏は、その著書『容赦なき戦争』(平凡社ライブラリー)でこう書いています。

<トルーマン大統領はポツダムにおいて原爆実験の成功を知り、それを日本に対して使用することを直ちに決意した。
彼は日記に、このことは遺憾ではあるが必要なことなのだ。なぜなら日本人は「野蛮人であり、無慈悲、残酷、狂信的」だから、
と記していた。>p261

トルーマン大統領のこの日本人についての「野蛮人、無慈悲、残酷、狂信的」という認識は、何が原因なのか、
と考えれば、それは今に続く歴史認識問題に関係する、と、お察し頂けると思います。

第二次世界大戦中は、対敵情報活動、コミンテルンの活動、民族主義の運動、帝国主義の活動、等々、
それぞれの利害得失によって、 入り乱れる虚々実々の情報操作が、激しく展開されました。

戦時中の事で今も論争の的となっている、南京事件、731部隊、慰安婦問題、強制徴用問題、等について、
ここで「仮に」、これらを「ニセ情報工作」としておきましょう。その方が、話を進めやすくなるからです。

こうした中国発のニセ情報は、即座に欧米メディアによって拡散されました。
ダワー氏の本には、アメリカの諜報機関と疑わしきものも出てきます。

ニセ文書ニセ情報が、そのまま、もしくは誇大に宣伝されました。
戦後、その活動を、ニセと知って本業とする人々、または騙されてそれを本業とする人々、が増大しました。

ニセと知って本業とした人々は、社会の中枢を担うエリート中のエリートでした。みんな騙されました。

こういう流れだとすると、「事実」であることの根拠に「発言者の権威」を挙げるのは、むしろ逆効果ということになりかねません。


ニセ文書ニセ情報と知りながら、それを拡散することを本業とした専門家たちには、そのやり方に「一定の傾向」がありました。

それは、<「証拠」とされる事柄の、「真贋の検討」と「内容の信頼性」について「言及しない」> ことでした。

これは、慰安婦裁判を勝訴に持ち込んだ有名弁護士「渡辺春己」氏と、慰安婦問題専門家「吉見義明」氏が、
当時既にあった事実の検討法、今井登志喜『歴史学研究法』を話題にする中で、

「故意に話題から外した項目」と、ピタリと合います。

*『歴史の事実をどう認定しどう教えるか』 教育資料出版社1997・p190(信頼性検討項目の虚偽の例を省略)
  全体として、真贋検討法を省略。

今井著『歴史学研究法』の内容を簡単に説明すると、以下のようなものです。

***
史実の証拠となるものには、その性質から考えて2種類ある。
1)史料が物質存在として、ある歴史的事件・歴史的対象と、物質的に関係しているもの。
2)史料が歴史的対象に対して、人間の認識を経由して、人間の論理で整理され、言語で表現されているという関係にあるもの。         

 たとえば、 (1)は、モノ的に関係する世界、やわらかい地面を歩けば足跡が残る、
というような世界での、「足跡」(痕跡)。あるいは作成物、地理、自然など。(物質世界に残(遺)された物。)
(2)は、人が歩いているのを見て、誰それが歩いていた、と証言する世界での、「証言」である。

(1)を考察の範囲に入れないものは、歴史とは言えない。 歴史は、物語や文学ではないのだ。

そして「証拠」はそのままでは、事実の「証拠」として扱うことはできない。
必ず、その「真贋・錯誤」と「内容の信頼性」という面を検討しなければならない。
***
以上、「史料批判」http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/tikyuu.siryouhihann.html

つまり、「渡辺春己」氏と「吉見義明」氏が「没にした項目」は、そのまま、
左派の研究者たちの流れに重なっていると言ってよいのです。

ここで左派の方たちの傾向を検討してみます。

日本の左派の方たちが   <何をしないか>

 ・証拠とされた事柄について、その「来歴」を明らかにしない。(真贋検討法詳細にはある)
     南京事件で出てきた日本軍元兵士の告白日記。(残虐行為の告白は周囲から攻撃されるという理由で、仮名である)
      発掘された関係者の日記。(これらは、どこからどのように出てきたかが明示されない。)
     米軍からの返還資料は、これを区別しない。(改ざん等があった場合に備えない)

 ・証拠の現物が、「本物であるか・ないか」について、全く言及しない。(検討法にはある)
      左派は常に、証拠は本物だと言ってきた。彼らによって、ニセモノではないか、と、疑われたものはない。

       しかし、秦郁彦『南京事件』p131の、南京事件元兵士日記は、文字遣い、言葉遣い等々の面から、
       当時の人や専門家には簡単にわかるニセモノです。
        http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/tikyuu.sennkasyo.html(左枠)      

 ・背後関係を明らかにしないことで、証言者に加えられた「脅迫・強制の可能性」に触れない。
そうすることで「人が、強制・脅迫で嘘をつく可能性がある」ということに、ふたをしてきた。(信頼性検討法詳細にはある)

      シベリアの生存環境の厳しさや、ソ連人が体験した「大粛清」の殺人行為のすさまじさを、
      ソ連の、体制側の脅迫要因として、取り上げたりしない。
      中国人が繰り返し体験した、暴力による膨大な人的犠牲を、中国の、体制側の脅迫要因として、取り上げたりしない。

   池上彰『そうだったのか!中国』によれば、
 中華人民共和国は、1950年の建国の際に70万人もの人を公開処刑した。
      (明治以降の日本では、罪人と言えども、人前で殺されたりしたことはない。)
 毛沢東の大躍進政策の時には、4千万人という膨大な餓死者を出した。上層部が「鉄を大増産せよ」と言えば、皆がそれに追従。
  人が目の前で殺されるのをつくづくと見せられた人々は、恐怖におののいて、使えない鉄くずを膨大量作った。
上層部が「農産物の大増産を」と言えば、その追従の結果として、水増しの収穫報告が大量に出された。
しかし実際の食料生産は激減し、すれすれの生活だった人々が、大量に餓死した。

 1966年から1976年までの文化大革命の時には、大混乱の中で50万人が犠牲になったと言われる。
 1989年の天安門事件では、人民解放軍が、無差別発砲や装甲車によるひき殺しで、一般市民を1000人以上殺害したとされる。

 ソ連は、一例だが、大粛清の中で、1937年・1938年に68万人が銃殺されたと言われる。
 中国もソ連も、すでに自国の民衆が脅迫を受けていた。恐怖のために、民衆の証言や行動は、上層部の言いなりだった。

 ・証言者やその所属集団についての利害側面を、考察対象として取り上げない。
  証言内容の信頼性に疑念を呈するのは、証言者たちに対する、道徳的に許されない二重犯罪である、と言われてきた。

   このように、証言内容の信頼性検討を論外とすることで、「人が、自分やその所属集団の利害のために嘘をつく可能性がある」
   ということに、触れないで来た。(信頼性検討法詳細にはある)

このような左派の方の傾向は、「事実の検討をさせない」という「目的」で、「誘導されている」と思います。
そしてどうやら、世界中がそのように誘導されているようです。

もう一度、自分たちの方法が、事実探求の面で、カバーしきれていない点を考え直して頂きたい。

私は、左派の方々に、余りにも世界を覆う「ニセ情報工作」への警戒が薄いので、
それが次の戦争を誘発する原因になりはしないかと怖れるのです。

久武喜久代  61歳  神奈川在  suisyou2006@nifty.com



(以下は送信文からは落ちていたことですが、追加です。)(170902)
***
「満洲憲兵隊」が検閲した手紙の「月報」について、
中国側は、それらは土の中に8年埋められていた、と説明します。

しかし、土が沁み込んだ様子はありません。
(『検閲された手紙ーーー』2006小学館 )

これは、ニセ文書とするには恐ろしいほどの、2万点という量です。
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/170424kokazehidemasa.html

また、去年12月出版の『シベリア抑留』の本に、あり得ない説明が挿入されていました。
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/170226siberiayokuryuu.matigai.html

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