赤旗         (20170904送信UP)

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          NHKの名前に頼ってはいけない

赤旗「きょうの潮流」20170903
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik17/2017-09-03/2017090301_06_0.html
について

731部隊の人体実験が、第二次世界大戦中の、対敵情報活動、
コミンテルンの活動、民族主義の運動、帝国主義の活動、等々の流れを汲む、
「ニセ情報工作」だったら、と考えて見て下さい。

   満洲農村部は、給水事情も衛生事情も非常に悪く、 極寒の地でもありました。
   日本人には厳しい所です。

  小説家・宮尾登美子氏が、昭和20年3月に満洲に渡っています。
   その水のない有様は、日本人には想像を絶します。
    衛生事情も非常に悪いものでした。

<宮尾登美子『朱夏』より満洲の水事情>
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/170817miyaotomiko.syuka.mizu.html
(広大な満洲では、インフラ整備はかろうじて都市のみ?)

   日本人が満洲経営を考えたら、これらの対策に、知恵を絞るのは当然です。
  満洲で給水・防疫を担当していた部隊は、ここだけだったようです。
   そして 生体実験や細菌戦の研究は大変そうです。

   では、給水・衛生・極寒等の対策研究は、していなかった、
   という方向で、説明できるのでしょうか。

中国発のニセ情報は、アメリカの諜報機関もからんで、即座に欧米メディアによって
拡散された、という仮説に立つなら、

<「証拠」とされる事柄の、「真贋の検討」と「内容の信頼性」について「言及する」>
ことが必要です。

なぜなら、 戦後、その活動を、ニセと知って本業とする人々、または騙されて
それを本業とする人々、が増大した、という筋書が、まだ「否定されていない」からです。

こういう流れだとすると、「事実」であることの根拠に「NHK」を挙げるのは、 間違いです。

日本の左派の方たちが   <何をしないか>

 ・証拠とされた事柄について、その「来歴」を明らかにしない。(真贋検討法詳細にはある)
     南京事件で出てきた日本軍元兵士の告白日記。
         (残虐行為の告白は周囲から攻撃されるという理由で、仮名である)
     発掘された関係者の日記。(これらは、どこからどのように出てきたかが明示されない。)
     米軍からの返還資料は、これを区別しない。(改ざん等があった場合に備えない)

 ・証拠の現物が、「本物であるか・ないか」について、全く言及しない。(検討法にはある)
      左派は常に、証拠は本物だと言ってきた。彼らによって、ニセモノではないか、
       と、疑われたものはない。

       しかし、秦郁彦『南京事件』p131の、南京事件元兵士日記は、
        文字遣い、言葉遣い等々の面から、
       当時の人や専門家には簡単にわかるニセモノです。
        http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/tikyuu.sennkasyo.html(左枠)

     「満洲憲兵隊」が検閲した手紙の「月報」について、
     中国側は、それらは土の中に8年埋められていた、と説明する。
     しかし、土が沁み込んだ様子はない。
        (『検閲された手紙ーーー』2006小学館 )

     これは、ニセ文書とするには恐ろしいほどの、2万点という量である。
     http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/170424kokazehidemasa.html

     また、去年12月出版の『シベリア抑留』の本に、あり得ない説明が挿入されていた。
     http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/170226siberiayokuryuu.matigai.html
      

 ・背後関係を明らかにしないことで、証言者に加えられた「脅迫・強制の可能性」に触れない。
  そうすることで「人が、強制・脅迫で嘘をつく可能性がある」ということに、ふたをしてきた。
                     (信頼性検討法詳細にはある)

    シベリアの生存環境の厳しさや、ソ連人が体験した「大粛清」の殺人行為のすさまじさを、
    ソ連の、体制側の脅迫要因として、取り上げたりしない。

    中国人が繰り返し体験した、暴力による膨大な人的犠牲を、
     中国の、体制側の脅迫要因として、取り上げたりしない。

   池上彰『そうだったのか!中国』によれば、
 中華人民共和国は、1950年の建国の際に70万人もの人を公開処刑した。
      (明治以降の日本では、罪人と言えども、人前で殺されたりしたことはない。)

 毛沢東の大躍進政策の時には、4千万人という膨大な餓死者を出した。
  上層部が「鉄を大増産せよ」と言えば、皆がそれに追従。
  人が目の前で殺されるのをつくづくと見せられた人々は、
   恐怖におののいて、使えない鉄くずを膨大量作った。
 上層部が「農産物の大増産を」と言えば、その追従の結果として、水増しの収穫報告が大量に出された。
  しかし実際の食料生産は激減し、すれすれの生活だった人々が、大量に餓死した。

 1966年から1976年までの文化大革命の時には、大混乱の中で50万人が犠牲になったと言われる。
 1989年の天安門事件では、人民解放軍が、無差別発砲や装甲車によるひき殺しで、
  一般市民を1000人以上殺害したとされる。

 ソ連は、一例だが、大粛清の中で、1937年・1938年に68万人が銃殺されたと言われる。
 中国もソ連も、すでに自国の民衆が脅迫を受けていた。恐怖のために、民衆の証言や行動は、
  上層部の言いなりだった。


 ・証言者やその所属集団についての利害側面を、考察対象として取り上げない。

   証言内容の信頼性に疑念を呈するのは、証言者たちに対する、
    道徳的に許されない二重犯罪である、と言われてきた。

   このように、証言内容の信頼性検討を論外とすることで、
   「人が、自分やその所属集団の利害のために嘘をつく可能性がある」
   ということに、触れないで来た。(信頼性検討法詳細にはある)

上記は、今井著『歴史学研究法』(原文は1935年)に照らし合わせての、左派の方法の欠点の指摘です。

今井著『歴史学研究法』は、簡単に言うと以下のようなものです。

***
史実の証拠となるものには、その性質から考えて2種類ある。
1)史料が物質存在として、ある歴史的事件・歴史的対象と、物質的に関係しているもの。
2)史料が歴史的対象に対して、人間の認識を経由して、人間の論理で整理され、
   言語で表現されているという関係にあるもの。         

 たとえば、 (1)は、モノ的に関係する世界、やわらかい地面を歩けば足跡が残る、
       というような世界での、「足跡」(痕跡)。あるいは作成物、地理、自然など。
                        (物質世界に残(遺)された物。)
(2)は、人が歩いているのを見て、誰それが歩いていた、と証言する世界での、「証言」である。

(1)を考察の範囲に入れないものは、歴史とは言えない。 歴史は、物語や文学ではないのだ。

そして「証拠」はそのままでは、事実の「証拠」として扱うことはできない。
必ず、その「真贋・錯誤」と「内容の信頼性」という面を検討しなければならない。
***
以上、「史料批判」http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/tikyuu.siryouhihann.html


<「証拠」とされる事柄の、「真贋の検討」と「内容の信頼性」について「言及する」>は、

慰安婦裁判を勝訴に持ち込んだ有名弁護士「渡辺春己」氏と、慰安婦問題専門家「吉見義明」氏が、
当時既にあった事実の検討法、今井登志喜『歴史学研究法』を話題にする中で、

「故意に話題から外した項目」と、同じです。

*『歴史の事実をどう認定しどう教えるか』 教育資料出版社1997・p190
  (信頼性検討項目の虚偽の例を省略)
  全体として、真贋検討法を省略。 

これによって、慰安婦問題専門家たちの、史実検証法の隠蔽工作に関しては、確定です。

731部隊の人体実験だけは本当だと、どうして言えるのか、それを、
専門家やメディアリーダーの権威抜きで、説明する必要があるでしょう。

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