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2017年12月13日『核心』記事
「南京事件80年 なお火種 日中改善へ識者に聞く」について

「南京事件は事実である」
という視点で記事ができています。

しかし「事実」というものは、
<<それを証明する「証拠」が本物>>でなければなりません。

しかし「証拠が本物かどうか」を検討した人がいません。
以下の検討項目を示して「証拠は本物である」と説明した人はいますか?

(1)紙質は当時の物か。
筆記具として使ったものは、当時の状況に照らして妥当か。
文字や言葉の使い方は、当時の状況に照らして妥当か。
書風や筆意は、当時の状況と文書の目的に照らして妥当か。
印章は真正のものか。

   *比較する物が公文書なら、
    既に真正と判明している公文書との、
    詳細な比較検討が必要です。

(2)その史料の内容は、他の正しい史料と矛盾しないか。

(3)その史料の形式や内容が、
それに関係することに、発展的に連絡し、その性質に適合し、
蓋然性を持つか。

(4)その史料自体に、作為の痕跡が何もないか。
それを検討する方法として、以下に列挙する。

  a) 満足できる説明がないまま遅れて世に出た、というように、
   その史料の発見等に、奇妙で不審な点はないか (来歴の検討)

  b)その作者が見るはずのない、またはその当時存在しなかった、
   他の史料の模倣や利用が証明されるようなことがないか。

 c)古めかしく見せる細工からきた、
    その時代の様式に合わない、時代錯誤はないか。

 d) その史料そのものの性質や目的にはない種類の、
    偽作の動機から来たと見られる傾向はないか。

上記の「証拠が本物かどうか」を検討する方法は、
1935(昭和10)年の今井登志喜『歴史学研究法』
に書いてあったものです。

私は今井著『歴史学研究法』(東大出版)の全文をサイトUPしました。
またその要約は、以下のページにあります。
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/tikyuu.siryouhihann.html

私は、慰安婦問題弁護士・渡辺春己氏と、
慰安婦問題トップ研究者・吉見義明氏の二人が、

ある対談本の中で、この今井著を取り上げながら、
  <「真贋検討法」と「虚偽の例」を「隠蔽」した>
のを見つけました。

*『歴史の事実をどう認定しどう教えるか』 教育資料出版社1997・p190

今井著では詳細に順序良く出てくる「真贋検討法」を、
上記対談本の主たる参加者である渡辺氏は、
ほぼ完全に隠蔽しています。

証言の検討もしかり。渡辺弁護士は、元慰安婦のデタラメ発言を、
「錯誤」だけで説明し、「虚偽」をカットします。

しかしこれも、今井著の、
「錯誤」と「虚偽」が続けて出てくる書き方からすると、
非常に不自然な「不審行為」です。

そして左派には、「資料は真贋の検討が必要だ」という観念が、
全くありませんでした。 極めて不審です。

これは、資料や証言が、事実の証拠としては使えない、
という状況を示しています。

この問題についての全体状況を示す仮説と、その他の具体例は、
以下のページを参照してください。
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/171230ritera.html


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