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2017/12/7付日本経済新聞夕刊 「昭和天皇独白録3000万円 高須クリニック院長が落札」

2017/12/7 昭和天皇独白録 3000万円 NY競売 側近の記録を高須院長落札



原本の価値判断に関わる重大な問題です。

幕末から昭和まで、「昭和10年『手紙講座』平凡社」掲載の、170点余の著名日本人の手書き手紙画像を、
ネットに掲載している者です。

文庫・昭和天皇独白録の他の方のレビューを見て、高須クリニック院長が、
独白録の原本をお買い求めになったことを、私も思い出しました。

それで、ネットにあった、オークション主催者が提供した原本画像を見てみましたところ、
英語が堪能な方にしては「草書がこなれすぎている」と感じました。

それは、この時代の日本の1900年生まれの人では、こなれた草書を書きこなす人は
、書家か国文系の特殊な人くらい、しかいなかったはず、という、私の認識を、大きく裏切るものでした。

こちらの『昭和天皇独白録・寺崎英成御用掛日記』文春1991年には、
寺崎氏の手書き日記と、昭和天皇独白録の手書き写真版が掲載されています。

独白録の手書き写真ははっきりしませんが、日記の手書き写真と、
オークション主催者が提供した原本画像は、全く別人のものに見えます。

日記手書きの方は、英語が堪能な方のイメージに合いますが、
高須院長が入手された原本画像は、相当な草書の書き手です。くずし方にも癖があるように思う。

詳細に調べる手だてがないとはいえ、これは全く別人のものだと、私は思います。
両方の原物同士を見比べて、アメリカ人なら、同一人物の手書きだと思うのでしょうか?
書体を変えているから、と説明されると、納得するのでしょうか。その辺も首を傾げました。

『独白録』文春文庫の方を見れば、解読者が、「右派」トップクラスの近現代資料解読者・伊藤隆氏らしいとわかります。
膨大な資料集を出しておられる方です。
しかし、素人目にもおかしいのではないでしょうか?

(アマゾンレビューにも書いてあります)



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