西洋近現代史研究会 御中   (20180620送信)

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PDFの平賀粛学?意味が反対になっているのでは?



今井登志喜著『歴史学研究法』2


説明不足だと思うので、先のメールに追加します。

今井登志喜は以下の、朝日・読売・毎日・産経新聞社、
また富田メモを追加して日経にも送信したメール、
にも出てきます。

http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/180601kaku.sinnbunnsya.html

上記メールにあるように、
慰安婦問題専門家・弁護士が、今井登志喜を引用しながら、
その内容を、周囲に対して隠蔽した事がわかります。

その今井著の中で重大なのは、
 公然あるいは暗黙の強制がある場合は人は嘘をつく、
 自分や自分の団体の利害がからんだら人は嘘をつく、
という部分です。

これは、中国国内の人権弾圧の非人間的な有様が、
歴史認識問題との関連条項として出てこない、ことと連動して、

中国国民が受けている強制の可能性を、
否定することになっています。

また、今井著の「贋作言及」が消されたことによって、
歴史学全体から「贋作」検討の方法が消え、

贋作大流行の結果をもたらしています。

今井著なき歴史学は、日本の良識ある人々の、
思考の空洞化を招いて、危機的状況にあると思います。

PDFを見る限り、佐野匡平さんの今井評価は低く、
それは研究会の論調を反映しているように思われます。

しかし、別の見方をしていて、必要だと思っている者もいる、
ことを知って頂きたいと思いました。

今井の思想努力は、戦時中のこととしては非常に勇気あるものです。
美濃部の天皇機関説がらみの内容です。

私は初見で気が付いたのに、それ以来40年、誰も何も言わないのは、
誰も何も気が付かなかった、ということなのだろうか、
と、私は今も不思議に思っています。

あの困難な時代、表現も複雑屈折でしかできなかったし、
今でも、忖度して沈黙が続いている話ではあります。

最後に、PDFをUPしてくださったことに感謝します。



久武喜久代   suisyou2006@nifty.com


20180622記

佐野氏の言わんとするところは、要するに、

 今井は戦時中に随分と国策に沿った国家主義的な発言をしている。

 その今井が東大西洋史で顕彰されているのは、
 今井が弟子を育てるのが上手く、

 その弟子たちによって、意図的に、
 戦前にも国家主義に対抗するリベラルの芽があり、それが今井だった、

 として祭り上げられているのである。

 しかし実際は、このように国策追従人間だったのである。
 だから、この東大西洋史の顕彰の動きに見る作為性は、
 打破されなければならない。

と言っているみたいなのだ。

実際の所、私は今井の時局発言的な文献があるのは初めて知った。
しかし私は、1935年の、今井の自己弁護ともなりそうな文章、

 自分あるいは自分の団体の利害が絡むと人は嘘をつく 、   
 公然あるいは暗黙の強制に屈服してしまうと人は嘘をつく、

を見てしまっているのだ。だから、今井は本当は、

 しょうがないじゃないか。いいかい、
 僕は今、「自分の責任で」こんなことを書いているが、
 君たちは、今の時代の風潮に染まってはいけない。
 
 君たちは後の世の中のことを考えて、しっかり生きるんだよ。

と、言っていたのではないかと、思ってしまうのだ。

佐野氏の論調からすると、今井は平賀粛学を推進した、かのように読める。

(どうして林健太郎氏が、今井をそのような人物として書く、と佐野氏が思うのか、わからない。
お亡くなりになる頃には保守だった。しかし戦前は、マルクス主義にはまってた。
それに私は、林健太郎氏の今井に関する文も読んでいないので、ここは首を傾げている所ですが。)

しかし今井は、大内兵衛を強力に弁護した側ですよね。とすると、平賀粛学の推進者だったはずはないですよね?

(誰も何も言わなかったら、私はこれも、調べる余裕なし)



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