試行錯誤                     (20180808)

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宇宙空間から地球社会を見ると、何十億という人の、
一人一人が地表に乗って生きている。

それぞれ、どこかの集団に帰属意識を持っている。
集団とは、情報網による結合が主である。

一般の人は、取り立てて関係のない、異なる集団に対して、
武力でもって戦おうと思っているわけではないだろう。

しかし、情報網による組織的な結束活動と扇動が、
戦争という活動の基礎となって、

それが有効に働いた時に、戦争が始まるのではないか、
と、私は思うのだ。

19世紀までは、国の頂点にある、皇帝や王に対する忠誠と臣従、
という仕組みが有効で、それによってしばしば戦争が繰り返された。

ロシア革命と第一次世界大戦の終結は、
その、以前の仕組みがゆらぐきっかけになった。
ロシアもドイツもオーストリアも、皇帝がいなくなった。

代わりに出てきたのが、世界革命を唱える共産主義と、共和制だった。

全世界の労働者の団結を訴える共産主義は、国を超えて革命思想を広げた。
その目的は、現体制の破壊と共産主義国家の建設だった。

ロシア帝国の時代は、帝国主義による領土拡張の志向を持っていた。
それで、満洲・朝鮮と、活動を広げていた。(中断)



グーグルアースのように上空から社会を見る場合、
多くの人が日常生活をしている中で、
情報面で戦争を準備する集団がいるわけだ。

それは、全体からすると極めて少数。


突然だが、古い試行錯誤の文章を、ここで掲示する。

拙著「社会と情報」
http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/mononomikata.2011.9.syakaitojouhou.html
「空中写真で見る世界」
http://1st.geocities.jp/rekisironnsyuu/kuutyuusyasinndemitasekai.html

こういう世界では、制度も、情報を基盤とした認識の問題である。
グーグルアースの映像で見て、「社会組識を見る」ことはできない。


ある種の学問では、集合的記憶、というような概念を使うようだ。
『中国の歴史認識はどう作られたのか』に出てくるので、これを少し考える。

上記引用の私の世界では、集合的記憶とは、
巨大かつ広範囲な、物質的刺激
(文字・サインという物質形状。物品で人寄せする意味ではない)
による、情報入力の結果、発生したものである。

つまり,集合的記憶とは、巨大かつ広範囲な物質的刺激による「情報入力」、
がなければ、存在することがないものである。

津波到達情報などが石碑になっている場合のように、文字記録があって、
長年に渡って記憶が地元で再生産される等は、
文字記録によって情報入力の契機がある。


上の「社会と情報」大分類で言えば、

それは例えば、義務教育による一定の「情報入力」、
マスコミによる一定の「情報入力」、
公的機関の広報による「情報入力」、
巨大な制度的メカニズムで発生した「情報入力」

によって発生するものであって、個人個人の経験が集合的記憶になることはない。
人が違えば経験したことは違い、世代が違えば、
それだけでもう、伝達されることは限られる。

例の本で言っている歴史的記憶、などというものは、結局のところ、
巨大な制度的メカニズムで発生した「情報入力」に過ぎない。

それは、特殊な場所で製造されたものである。
日本でも、あるいは諸外国でも、同じだろう。

結局、その入力される情報の内容を作るのに、どのように他者が影響を及ぼすか、
それによって、社会の構造やバランスが変わってくるだろう、
ということが言いたいのだ。


南京事件関係の文献を、脅迫・強制によってねつ造し、人々の頭に植え付ける。
中国人には恨みと自己優越意識を、日本人には卑下と謝罪意識を植え付ける。
諸外国には日本人攻撃を植え付ける。

受け付けない日本人を、道徳面で世界から排除する、
という名目で軍事攻撃の口実にする。

もしこういう筋書があり得るなら、それは、
巨大な制度的メカニズムを利用して、創作した状況である。

それは、一般社会とは縁のない所で創作されたもので、
普通の暮らしをしている人には、必要がない。

上の「社会と情報」大分類で言えば、(3)偏在情報
だったものが、(2)の社会システム情報、(1)の義務教育情報、
(4)のマスコミ情報などに乗って流れる。

国家組織の特務機関(3)から、国の政策決定を経て行政ルートに乗り(2)、
教科書など教育ルートに乗り、マスコミで拡散する(4)、というような
流れが想定される。


今回の、中国を主とした諸外国のニセ情報工作では、
社会上層部の乗っ取りが、重要な役割を果たした。

私の「社会と情報」の世界では、社会上層部も基本は(3)偏在情報である。

乗っ取りが影響を振るったエリアとしては、

藤原彰氏の系統では、偕行社、防衛省、出版社、共産党、学会、マスコミ、
秦郁彦氏の系統では、マスコミ、出版社、官僚、民主党、右派団体、
伊藤隆氏の系統では、右派団体、東大、政治家、国会図書館、出版社、学会、
吉見義明氏の系統では、慰安婦問題関連団体、出版社、弁護士団体、マスコミ、
渡辺春己氏の系統では、弁護士団体、マスコミ、

ざっと思いつくだけでも、これくらいある。それぞれ、
(1)義務教育(教科書に反映させよという声に押されて)
(2)社会システム・行政(同上)、(4)マスコミ、これらに影響した。

彼らの背後で活動している、名前のわからない組織や集団、
ネットワークが、いろいろあるのだろう。



世界全体を、情報ルートによる分類でモデル化したらどうなるのだろうか。

私は今回、いろいろな所に送信してきた。
国家組織、議員、政党、地方政府組織、自治体組織、マスコミ、学会、学者、
教育関係団体、各種団体、ネットで見かけた個人、本の執筆者、出版社、
国際連合にも送ってみた。

私のような門外漢の貧乏人には、シンクタンクというのは、
最後に残った盲点だったと思う。

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