マイメモ  日中戦争仮説    (20190115)


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大抵の公式説明は、2・26事件の将校たち処断で、
天皇はやり過ぎたと感じて、
国政に発言しなくなった、と言う。

しかし私は、これは変だと思うのだ。

普通は、これで天皇の発言権が強まった、
と説明するはずではないかと思う。

何か、他の事例では、そういうパターンが普通だ、
という認識が、私にはある。

 公式説明は、戦後に、天皇の責任を不問にするため、

 そして、満洲支配は五族協和の理想を旨とする国家建設、
 という日本の標榜を抹消し、

 日本が溥儀を利用して、満洲を弾圧支配して植民地化した、
 という連合国の主張のために、作られたもの、ではないか。

張作霖爆殺は、『昭和天皇独白録』が贋作だった、という、
その意図から察するに、中国かソ連の謀略だった、としよう。

あてにしていた?張作霖が死んでしまったので、
関東軍が直接乗り出した。

関東軍は、それ以前から、水面下で満洲の清寄りルート
で活動していた溥儀擁護派と通じ、
柳条湖事件(1931.9.18)をきっかけに満洲支配?に乗り出した。

それは、天皇の意思でもあった。

なぜかと言うと、石原莞爾や板垣征四郎が勝手にやった、
というのは、余りにも無理があるから。

それが本当なら、天皇は、馬鹿にするな、と、激怒すると思うのだ。
しかし現実は、拡大が進んだ。

そして溥儀擁護派の内部工作によって、満洲支配は
猛スピードで進んだ。
満洲国建国は、天皇と溥儀の信義によって成立した。
(天皇が東京駅に溥儀を出迎えた時のイメージ)

多分、民族協和、王道楽土というスローガンは、
ごく真面目に目的とされて、運営の指針だったのではないか。

私たち戦後世代が、傀儡国家・満洲国、なんて習った内容は、
連合国(宣伝の中核は中国)側の創作虚偽宣伝ではないかなあ。

***
国際連盟は満洲国建国を認めなかった。
これは日本の満洲侵略だと非難した。
そこで日本は国際連盟を脱退した。1933(昭和8年)

1937.7.7 盧溝橋事件。牟田口廉也、戦闘許可。
  7.25 廊坊事件(ろうぼうじけん)
7.26 広安門事件
  7.29 通州事件
(上記4件、日本軍を刺激して戦闘状態に持ち込み、
       南京まで誘導しようとした、中国側が起こした事件)

  8.13 第二次上海事件
  日本軍の南京進撃



***
いろいろ書いてみるけれども、
歴史を合理的に解釈しようとするのは、それなりに危険が伴う。

人間の考える合理性なんてものは、
実態を知らない個人の、その限りでの知見の範囲内のものである。
まるで違う解釈がありうる。極めて限られている。

合理的解釈なんてものは、それだけでは仮説以上のものではない。
なによりも事実の方が本物である。

しかし、生き延びることを許された人々は、
連合国寄りの、何らかの含みを持たされて、解き放たれた、
のではないか、という仮説も捨てがたい。

インパール作戦の牟田口廉也中将は?
この人は、連合国側に寝返ったスパイだった、
ということは、ないのだろうか?

すると、人事でこの人を推挙した、上層部の人物も怪しくなる。
河辺正三。

弟に河辺虎四郎。
GHQ参謀2部(G2)部長のチャールズ・ウィロビーに接近。
軍事情報部「歴史課」に特務機関「河辺機関」を結成。

軍や自衛隊に、もしスパイがいたら、どうなるか?

贋作事件に、こう日本人スパイが暗躍していたら、
考えてみないわけにもいかない。


*** 
フランク・キャプラ監督の、戦時中アメリカの戦意高揚・宣伝映画、
『ドキュメント・第二次世界大戦』10巻が、戦前のまま販売されている。

それによると、柳条湖事件(1931.9.18)で日本が侵略に乗り出した、
それがこの頃の、世界で一番最初の「侵略事件」ということになっている。


***
戦後の裁判で、溥儀は、私は日本に利用された、日本の傀儡だった、
と証言することによって、生き延びた。

しかし本当は、戦時中は一生懸命、日本に協力していたのではないかなあ。


***
フランク・キャプラ映画の展開は、
英米仏が、すでに世界中に植民地を作っていた、ことが、
すっぽり完全に抜け落ちている、ことがポイントである。

  英米仏は、全く、他国の支配などやったこともないのに、
  日本が当時の世界で、唯一、侵略に乗り出した、

というような話になっている。

日本は、西洋に対抗する大東亜共栄圏と言う名目で戦った。
西洋支配からの解放を名目にしていた。

そのこともあって、
西洋による世界の植民地化について、必ず説明するが、

キャプラ映画では、それが全くない。

歴史書を読む時は、この点を注意して見ることが必要である。

ただただ、唯一日本が侵略した、日本が悪かった、
と書く人は、現代中国共産党か、旧連合国の代弁者とわかる。

歴史叙述として、はっきりと片手落ちなのに、それを無視しているのだ。


***
歴史認識の偏在について。

そもそも、一般の人でも、歴史に関心がある人・ない人、と、
はっきり分かれてしまう。

教科書とか、世の中に流通している通説とか、それらによって、
ピンポイントで聞きかじって知らされる歴史知識、
で終わる人が、かなりいる。

そもそも、戦前のアメリカで、欧米による世界的な植民地化を、
認識として持っていた人が、どれくらいいただろうか。

農業従事者や一般労働者たち、家庭の主婦など、
知識として流さなければ、知ることもないだろう。

キャプラ映画のどこがおかしいか、
わからない人ばかりだったのではないか、と思う。

歴史認識としてはとても大きな片手落ちでも、
プロパガンダの偏向はわからない。

偏向が偏向だとわかるような、歴史知識なしの、
方法論だけで検討する方法は、ないものだろうか。











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