しんぶん赤旗  御中     (20190531送信)

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5/05 赤旗日曜版・桜井均氏の映画『主戦場』記事について



皆様に知っておいて頂きたいことがあります。  

慰安婦資料は、吉見義明氏が発見したことになっています。

吉見義明『従軍慰安婦』岩波新書1995、p5に、

  慰安婦関連文書は、
「八王子の地下倉庫」にあって焼却を免れ、アメリカに接収され、
 日本に返還されて、防衛庁防衛研究所で保存されていた。

という話が出てきます。

私はある理由から、この資料群の来歴を、とても気にしています。
贋作ではないかと。

そして岩波新書『従軍慰安婦』 1章より、出てくる資料を、
順番に並べて見ました。そして考えました。

吉見義明『従軍慰安婦』岩波新書その2
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/190520mymemo.yosimisiryou.html

資料No.28(p36)は笑うしかありません。これは、誰が考えても笑うでしょう。

    (「陸軍省」が陸軍部隊に、

      略奪、強姦、放火、俘虜惨殺等、
      皇軍としての本質に反する、数多くの犯行を生じた。       

     そのような(悪い)感情や劣情を抑えるには、性的慰安が効く、
     と言っている文書です。)   

それに、もし疎開させた文書なら、何かひとまとめにする基準が
ありそうなものですが、それがわかりません。

外務省・内務省・陸軍省と広がる部署の、
慰安婦関連だけがあるのですが、他にあったはずの文書は、

疎開させるほどだったはずなのに、
重要なものはなかった、ということでしょうか?

普通なら、残存資料の全体を俯瞰して、
行政や軍部の活動全体の研究に役立てようとするはずだと思うのですが、

この八王子地下倉庫資料について、そのような、
他の文書の研究が出された、ということを、私は今の所、知りません。

八王子の戦中戦後に詳しい方たちも、
八王子地下倉庫の慰安婦関連資料など、
聞いたことがない、ということでした。 

     これはとても不思議な残存状況です。

この資料の残存状況は「贋作の動機から来たと見られる傾向」
ではないでしょうか。

ひょっとしたら、八王子地下倉庫資料というのは、
慰安婦関連資料だけしかない。しかもそれは、
贋作だからではないか、と、私は疑っています。


現在、日本には膨大な量の贋作文書が流入しています。

大勢の日本人トップ研究者たちが、
それを「贋作」と知りながら「本物だ」と、太鼓判を押したのです。

(1)『昭和天皇独白録』は贋作です。

直接の鑑定者は、東大・近現代史の大御所・伊藤隆氏ですが、
文春文庫『昭和天皇独白録』の議論の参加者として、

秦郁彦氏も名を連ねていて、加担者であることは間違いありません。

私は自分のホームページで、寺崎英成氏が手書きした「日記」画像と、
手書き『昭和天皇独白録』画像を並べました。

『昭和天皇独白録』は側近の寺崎英成氏が書いた、とされています。

この二つは、全くの別人によって書かれたものであることが、
一目でわかると思います。

「比較:昭和天皇独白録と寺崎日記」
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/190509kanteidokuhakuroku.html

伊藤先生の直弟子である、東大・加藤陽子先生に、
反論があれば頂きたい、と、問い合わせましたが、反応なしです。

「加藤陽子先生」
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/190514katou.html


(2)慰安婦問題専門家・吉見義明氏の、
    今井登志喜「真贋検討法」1935年の隠蔽

吉見義明氏は、ある本の鼎談で、
既に1935年からあった「史料の真贋検討法」等を書いた本
を話題にしていました。

   参考『歴史の事実をどう認定しどう教えるか』
   教育資料出版社1997・p190

「真贋検討法」が本になっているのですから、
彼もその古い本、今井登志喜『歴史学研究法』1935年
を検討はした、であろうと思います。      

しかしながら彼は、その本の内容(真贋の検討法、虚偽の例)を、
仲間の左派研究者には、教えませんでした。

そして彼は、自分が提出する資料の真贋について、
全く検討してきませんでした。

しかし、歴史認識問題で出てきている資料には、多くの贋作があります。


(3)2018年5月、「NNNドキュメント『南京事件 2 』」
が放送されました。
しかし冒頭5分でねつ造現場が映し出されました。

番組はユーチュブで確認できます。

発掘で燃え殻が盛り上がっていたりするようなことは、あり得ません。
これは、発見発表当時に燃やされた写真です。

そしてそれは、東京都埋蔵文化センターと防衛省戦史研究室に、
ねつ造文書の関係者がいる、という証拠です。

つまり、吉見義明氏が戦史研究室経由で出してきた資料には、疑惑がある、
ということでもあります。

 吉見義明氏は、(1)の伊藤隆先生とも接点がおありです。
           伊藤隆『歴史と私』p69、p72等。


(4)秦郁彦『南京事件ー「虐殺」の構造』1986年初版p131の、
虐殺証言の元兵士日記は、贋作です。

これはこの本のp281によると、
秦氏が元兵士から直接手渡されたものだそうです。

写真版:元兵士日記
http://hiyori.yamanoha.com/syasinnbanniiemataitinikki.html

私論文:南京事件元兵士日記、贋作
http://hiyori.yamanoha.com/ronnbunn.html

1行目下に、「しまった」の変体仮名「志満っ多」
が出てきますが、文字の意味は「こころざし満つること多し」です。

  虐殺証言なのに、「めでたい」と、
  文字がほほ笑んでいるような感じなのです。

この贋作日記は、偕行社刊『南京戦史資料集』にあるものです。
<『南京戦史資料集』に収められている日記類>
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/190519nankinsensi.siryou.html


(5)秦氏は、戦後1953に、多くの軍関係者に インタビューして、
戦前の政府発表は嘘だった、と、多くの史実を
逆転させて、若くして論壇に登場された方です。

しかし、この方が当時21歳の法学部の学生なのに、
戦前の事件の首謀者は全部日本人だった、と告白する元軍関係者は、
60歳前後の人たちばかりです。

古い細かい内部の話を、しかも国家的に考えて、
国の立場を悪くする方向の話を、この年齢差の若者に、するだろうか、
という疑問がわきます。

秦郁彦『実証史学への道』後半に掲載されているヒアリングの内容は
以下のようなものです。

秦郁彦『実証史学への道』
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/190225maimemo.hata2.html

本には軍関係者の年齢は載っていませんが、私が計算して出しました。

戦時中は、軍の行動や軍人たちの行動は、
国民に明らかにされているわけではなかったようですし、

戦争直後には、多数の文書焼却もありました。
軍人たちの行動の概略といえども、照合可能な明確な文書が、
あったわけではないと思います。

予備知識も困難な状況で、しかも法学部の秦氏は、
どのようにしてヒアリングができたのだろうかと、
私は疑問に思っています。


(6)(4)の偕行社編『南京戦史資料集』に戻りますが、
  (贋作・南京事件元兵士日記は『南京戦史資料集』所収)

何と言っても、解読責任者の一人である藤原彰氏は、
中国戦線を戦い抜いた元陸軍将校であり、

東大歴史学を出て、一橋大学教授・社会学部長となり、
歴史学研究会委員長も務められた、偕行社員でもある方です。

偕行社は靖国神社敷地内にあり、靖国神社は保守の方たちには、
畏敬の場所でもあるわけですが、

その陸軍将校たちが、贋作と知りながら、それを握りつぶしたのです。

こういう歴史認識問題の全体の流れの中に、私達はいる、
ということを、私は申し上げたいと思います。


今井登志喜「資料の真贋検討法」に、以下のような観点があります。

   3、その史料の形式や内容が、それに関係する事に、
     発展的に連絡し、その性質に適合し、蓋然性を持つか。

   私筆「歴史認識の基本」 今井登志喜・史料批判・
        (1)外的批判(1)真贋の検討 3、
      http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/190202maimemo.kannryaku.html

古代から現代へと、フィルムを早送りするように、
社会を 時間短縮で観察することを、想像してみましょう。

これらは、映像技術から来る「物質世界の時間と空間の連続イメージ」です。

日本を、フィルムの早送りのように観察することを想像してみた時、

 それに、史料の形式や内容が、それに関係する事に、
     発展的に連絡し、その性質に適合し、蓋然性を持つか。

 という問いを重ね合わせて考えると、

吉見義明『従軍慰安婦資料』NO.28のような事例は、ありそうもないことだと、
私は思うのです。


****
明治以降の日本では、
権力者が、非武装の同国人を、人前で処刑したりしたことはありません。
日本人は、権力によって、人が公衆の前で殺されるのを、見たことがありません。
***

これは私達日本人には当然のことのようでもありますが、
他国の実情と比較することによって、
日本人の特性を際立たせることができる、大きな事実ではないかと思います。


例えば中華人民共和国。
wiki「中華人民共和国の歴史」毛沢東時代(1949年 - 1978年)

1953年までに71万人を処刑、129万人を逮捕、123万人を拘束し、
240万人の武装勢力を消滅させた。
(中国の解放軍出版社より出版された国情手冊による。
 他文献では、処刑はすべて公開だったとされている)

ロシア
wiki(スターリンの)「大粛清」

最盛期であった1937年から1938年までに、

134万4923人が即決裁判で有罪に処され、
半数強の68万1692人が死刑判決を受け、
63万4820人が強制収容所や刑務所へ送られた。

日本人は、このような恐ろしい経験は、したことがありません。

私には、ヨーロッパ諸国やアメリカとの比較はわかりませんし、
アジア・アフリカ諸国との比較もわかりません。

また日本に関しても、経緯や実情が詳しくわかっている訳ではありません。

しかし少なくとも、中国が中心となって発信する日本残虐非難に対しては、
日本国の特質として、強く否定主張する根拠となる事実だろうと思います。

参考:武家諸法度
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/180927bukesyohatto.html
(1635年から、武家は非公開)



ご意見が頂ければ大変有難いです。


久武喜久代  63歳  神奈川在  suisyou2006@nifty.com

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