20191126 疑問・榊原主計参謀本部総務課長による東条英機発言の記録
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吉田裕『日本人の歴史認識と東京裁判』岩波ブックレット2019/8p14に出てくる
東条英機の発言の記録(1985作成)、これがとても嘘っぽく見えた。
この記録によれば、東条英機発言として、戦後、以下のように学習したのだと言う。
「日本の場合は国民に十分知らせず、自覚を持たせず、
軍の側が引き回した結果になってしまった。
それと違ってアメリカの民主主義は、国民に知らせ自覚を持たせる、
ということが基本であって、それが力となっている」
昔、この種の情報に接したとき、そうだその通り、民主主義はいい、と思ったものだ。
けれど、東条英機がこんなことを言ったなんて、とても奇妙に思える。
ジョンダワー『容赦なき戦争』を読んだり、DVD・ドキュメント第二次世界大戦10巻を見たり、
(以下、私送信文より引用)
アメリカ軍は、日本全土への無差別殺戮である大空襲、原爆投下を行った。
日本の民間の空襲被害者は、原爆の犠牲者を含むと、50万人とも言われる。
(今年の全国戦没者追悼式では、追悼される戦没者は、以下の通りとされた。
37年に始まった日中戦争と、
その後の第二次世界大戦で犠牲になった軍人と軍属など合わせて約230万人と、
民間人約80万人。)
上記事実があまり検討されない現状を考えると、
<アメリカの民主主義は、国民に知らせ自覚をもたせるということが基本である>
なんて、建前に過ぎなくて、
アメリカの国民も、そういう建前の下に、いいように操作されているのではないか、
と、そんな気がする。
上記の理屈を短くすると、
国民に知らせ自覚を持たせて、強力な力を持ったアメリカの民主主義が、
抵抗する術を持たない日本の一般民間人を、80万人殺戮した。
日本人弱者の無差別殺戮は、アメリカの民主主義の勝利である。
民主主義は素晴らしい。日本人も見習うべきだ。
このような、奇妙な理屈になりそうな、気がするではないか。
連合国側が、講和を受け入れるな、と、いうことになった経緯もよくわからない。
これだけの日本人虐殺を、昭和天皇が受け入れるはずもないような気がする。
しかし、昭和天皇が、自身や天皇制の存続を大前提として、講和や降伏を引き延ばした、
ような感じがするように、なっている。これは印象操作という可能性はないのか。
実際は、連合国側の圧倒的勝利を印象付けるために、連合国側が講和を拒否し、
降伏を受け入れなかったのだ、というようなことはないのか。