地球と社会の研究所
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【歴史と事実】


「物語や小説」は事実である必要はないが、
「歴史」は事実でなければならない。

では、歴史的事実とは何か。
それは「証明されたこと」である。

物質世界は絶対的なものである。

それゆえ理論的には、
人間の行動・思考が、あったかどうか、も、
絶対的な正否があるはず、なのである。

しかし、痕跡が残る行動というのは少ない。
人が認識する自分の行動も限られる。
他者が認識する行動も少ない。

ましてや、書かれる事は少ないし、
人の証言は、錯誤や虚偽も多く、
信頼できないことが多い。

いかにして「証明」に近づくか。
それが人間としての、現実的な課題である。


そしてまた物質世界の問題としては、
理論的に「事実」とは言えない、こともある。

価値評価は「事実」とは言えない。

ある人や集団から見た価値評価は、
その人や集団の人々の頭の中にある、とは言えるものの、

評価対象となった事実それ自体には、価値は含まれないものだからである。

しかし私たちに必要なのは、
何が重要なのか、という問いに対する回答である。

これもまた、人間としての現実的な課題、であることは確かだ。

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