2015年3月3日 朝日新聞 声欄投稿(600字制限)   (20160926UP)

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これも、どう読まれたのだろう、と思っている文。

方法論の解説が全然ない文章を読まされても、わからないのかもしれない。
チェック者にわからなければ、一般人に必要なものとも思われないのかもしれない。

専門家頼りの何がいけないのか、わからないのかもしれない。

南京事件慰安婦問題「あった派」専門家に聞けば、専門家が何より知っていることを、
新聞の読者ごときが、何を知る必要があるのか、と、一喝されるかもしれない。

そもそも、主婦と書いた所ではねられているのかもしれない?



歴史認識問題の、議論の再検討を強く訴える。

南京大虐殺問題も従軍慰安婦問題も、
その証拠について、
どのように真贋の検討がされたか、については、全く明らかにされない。

真贋の判定は、歴史学では基本的な作業である。
しかしこの方法が、一般人には周知されていない。

そのために、専門家が本物だと断言すれば、人は、
理解も納得もないままに、鵜呑みにするしかなかった。

この民主主義社会を標榜する現代日本では、
このような基本事項の専門家の占有は、許されるべきではない。

医療でさえ、医師の独断専横は許されず、
患者への情報伝達、理解の徹底が求められる。

それなのに、
史実確認の基本的な作業方法は、一般に知らされない、
真贋の判定の過程が知らされない、というのは、
重大かつ危険な片手落ちである。

歴史認識問題を取り上げる際には、政府には是非、
「当時の確実に正しい現物史料」と、「証拠とされた当該現物文書」が、
誰にでも、比較検討できるように、その公表をしていただきたい。

そしてそれについて、どこをどう比べて確認するか、
誰にでもわかるように、専門家が解説を加えるべきなのだ。

それが、公正を重んじる民主主義国家のやり方というものである。

多数の納得の得られないまま、理屈だけひねって、これが歴史認識だ、
と言明するようなことは、あってはならない。

郵便番号 神奈川県相模原市略
久武喜久代  59歳  歴史学方法論ネット解説者(主婦)

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