歴史認識問題研究会・日本近現代史研究会・なでしこアクション、
雑誌:文藝春秋・世界・中央公論 (20180112送信)
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中国発ニセ文書事件
目次:
1【世界基準の真贋検討法】
2【今井登志喜『歴史学研究法』とニセ文書】
3【慰安婦問題のニセ専門家たち】
4【ニセ文書事件の背後にある中国の政治環境】
5【その他のニセ文書・ニセ情報工作】
6【全体像についての仮説】
1【世界基準の真贋検討法】
「事実」というものは、
<<それを証明する「証拠」が本物>>でなければなりません。
しかし、慰安婦問題弁護士・渡辺春己氏と、
慰安婦問題トップ研究者・吉見義明氏の二人が、
史実検討法の中の
「真贋検討法」と「証言内容の信頼性検討法」を、隠しました。
この行為は、慰安婦問題全般の信頼性を疑わせるものです。
研究者たちは、活字印刷物は読んでも、元の手書き実物の
真贋の検討はしてこなかった。
これは、左派研究者たちの「根本的な欠陥」です。
本来なら、以下の検討項目を示して「証拠は本物である」
と説明する必要があるのです。
(1)紙質は当時の物か。
筆記具として使ったものは、当時の状況に照らして妥当か。
文字や言葉の使い方は、当時の状況に照らして妥当か。
書風や筆意は、当時の状況と文書の目的に照らして妥当か。
印章は真正のものか。
*比較する物が公文書なら、
既に真正と判明している公文書との、
詳細な比較検討が必要です。
(2)その史料の内容は、他の正しい史料と矛盾しないか。
(3)その史料の形式や内容が、
それに関係することに、発展的に連絡し、その性質に適合し、
蓋然性を持つか。
(4)その史料自体に、作為の痕跡が何もないか。
それを検討する方法として、以下に列挙する。
a) 満足できる説明がないまま遅れて世に出た、というように、
その史料の発見等に、奇妙で不審な点はないか (来歴の検討)
b)その作者が見るはずのない、またはその当時存在しなかった、
他の史料の模倣や利用が証明されるようなことがないか。
c)古めかしく見せる細工からきた、
その時代の様式に合わない、時代錯誤はないか。
d) その史料そのものの性質や目的にはない種類の、
偽作の動機から来たと見られる傾向はないか。
2【今井登志喜『歴史学研究法』とニセ文書】
上記の「証拠が本物かどうか」を検討する方法は、
1935(昭和10)年の今井登志喜『歴史学研究法』
に書いてあったものです。
私は今井著『歴史学研究法』(東大出版)の全文をサイトUPしました。
またその要約は、以下のページにあります。
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/tikyuu.siryouhihann.html
これを適用すると、
靖国神社敷地内にある、元陸軍将校団体・偕行社の呼びかけ(1983年)
で集まった、南京事件関係者の告白日記の類は、ニセモノです。
偕行社を乗っ取った元陸軍将校関係の人々は、
これらを本物だと言いました。おかげで皆が信じました。
後続の現代史研究者たちは、偕行社刊『南京戦史資料集』を珍重しました。
彼らはこれを活字で読みました。が、現物の真贋を確認しませんでした。
しかし現物はニセモノです。
秦郁彦著『南京事件ー虐殺の構造』中公新書p131にある、
元兵士の虐殺告白日記の手書き写真版は、
解読技能者には一目でわかるニセモノです。
これは、元兵士が自分は虐殺したと告白する日記ですが、
1行目「しまった」を「志満っ多」と表記します。
しかしここで「こころざし・みつること・多し」などと書く日本人はいません。
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/tikyuu.sennkasyo.html
秦郁彦氏は、この日記を、元兵士から直接手渡されたと言います。(p281)
ここが、後続の現代史研究者たちと、秦氏を、大きく分ける分岐点です。
後続の現代史研究者たちは、この実物を、直接には見ていないからです。
写真版にリンクしている私の論文では、
多大の疑問点の指摘をしています。
上記ページで取り上げているのは元兵士日記の1ページ1点ですが、
これほどの疑問点を、当時を知る元将校(戦闘体験者)たちが、
握りつぶしたのです。
これは、他の文書も疑うべきところを、
その疑問を排除するために握りつぶした、という疑惑につながります。
3【慰安婦問題のニセ専門家たち】
そして私は、慰安婦問題弁護士・渡辺春己氏と、
慰安婦問題トップ研究者・吉見義明氏の二人が、
ある対談本の中で、先の今井著『歴史学研究法』を取り上げながら、
<「真贋検討法」と「虚偽の例」を「隠蔽」した>
のを見つけました。
*『歴史の事実をどう認定しどう教えるか』 教育資料出版社1997・p190
この対談本の主たる参加者である渡辺氏は、
今井著『歴史学研究法』を取り上げながら、
本来なら詳細に順序良く出てくる「真贋検討法」を、
ほぼ完全に隠蔽しています。
証言の検討についてもしかり。渡辺弁護士は、元慰安婦のデタラメ発言を、
「錯誤」だけで説明し、「虚偽」(6項目の例)をカットします。
しかしこれも、今井著の、
「錯誤」と「虚偽」が続けて出てくる書き方からすると、
非常に不自然な「不審行為」です。
この本のこの部分で、渡辺氏の対談相手として登場するのは、
慰安婦問題トップ研究者である吉見氏です。
しかし氏が発見した資料の現物の真贋について、
氏は、全く検討した気配もないままです。
そしてまた、疑う人もいませんでした。
また吉見氏は、
自分が証拠採用した南京事件がらみの日本人医師の日記を、
古本屋で手に入れたと言います。
医療に携わる裕福な日本人医師が、古ぼけた南京事件時の日記を、
古本屋に売りに行く、
という説明が、そもそも疑わしい話です。
*『現代歴史学と南京事件』柏書房p194
ともあれ吉見氏が、正体不明の南京事件時の日記を証拠採用したことで、
中国関連のニセ文書群との関係が濃厚になりました。
4【ニセ文書事件の背後にある中国の政治環境】
南京事件について言うならば、証言をする人々について、
「中国という国が、真実を証言できる国かどうか」、
を考える必要があります。
人は、利害がからんだり、公然あるいは暗黙の強制に屈服すると、
嘘をつく可能性があります。(参:今井著・虚偽の例1・4)
証言者たちの背後に、長く続く中国の政治環境があることを、
忘れてはなりません。
中国は簡単に人を殺し、罪をねつ造する、人権無視の国です。
池上彰『そうだったのか!中国』によれば、
中国共産党は、1950年の建国時に、70万人もの人を公開で処刑。
*(明治以降の日本では、権力者が、非武装の同国人を、
人前で処刑したりしたことはない。)
毛沢東の大躍進政策の時には、4千万人という膨大な餓死者を出した。
これは、上層部のデタラメ政策に皆が追従したため、
辛うじて生きていた人々が、大量に餓死したもの。
1966年から1976年までの文化大革命の時には、大混乱の中で、
50万人が犠牲になった。
1989年の天安門事件では、人民解放軍が、
一般市民を1000人以上殺害した。
*(日本は戦中戦後の飢餓を克服し、安定した平和な国を作った)
中国には思想犯・政治犯に対する強制収容所・強制労働がある。(Wiki)
情報統制・言論弾圧の国である。
*(誰が本当のことを言うでしょうか。)
急速に軍備を拡大させ、南シナ海など、他国の領土を脅かす。
他国に工作員を大量に送り込む。あらゆる種類のニセモノをたくさん作る。
こういう政治・社会の環境は、人は正直に話をすることが出来ない、
ということを証明するだけです。
(韓国は韓国で、背景には、独特の政治環境があり、
また今回日本で発覚したような、中国のニセ情報活動もあることでしょう)
5【その他のニセ文書・ニセ情報工作】
左派には、「資料は真贋の検討が必要だ」という観念が、
全くありませんでした。 極めて不審です。
これは、資料や証言が、事実の証拠としては使えない、
という状況を示しています。
(1) 例えば「満洲憲兵隊」が検閲した手紙の「月報」について、
中国側は、それらは土の中に8年埋められていた、と説明します。
しかし、土が沁み込んだ様子はありません。
(『検閲された手紙が語る満洲国の実態』小学館2006 )
これは、ニセ文書とするには恐ろしいほどの、数量2万点です。
中国の正規資料館職員の方が、著者と一緒に、史料現物と共に、
裏表紙の写真に納まっています。問い合わせましたが反論がありません。
(以下は訂正します。2018年10月に富田先生と連絡が取れ、10月7日記事にその訂正内容が書いてあります)
(2)また、2016年12月出版の『シベリア抑留』の本に、
あり得ない説明が挿入されていました。
富田武『シベリア抑留 - スターリン独裁下、「収容所群島」の実像』
(中公新書)です。(p128)
収容所で発行された「日本新聞」が読まれるようになった
経緯についての説明で、
「多くの初等教育の機会にさえ恵まれなかった農村出身兵士
にとっては、
識字教育の場であり、学びの機会でもあった。」
しかし、1936(昭和11)年の陸軍統計では、徴兵検査を受けた者
(「合格者」ではない)の内、
小学校中退・不就学者は、合わせて2.8%です。
つまり、徴兵検査を受けた者は「97.2%が初等教育を完了」しています。
(吉田裕『日本の軍隊』岩波新書p165)
吉田裕氏は、有名な「南京事件あった派」学者です。
研究の基本に、「虐殺を行った日本軍の源流を求める」
という動機を持つ方です。
しかしその方ですら、日本軍の学力については、根拠があるので、
このように述べるしかないのです。
富田先生が間違うはずはないので、先生ご自身が事実を歪曲したか、
誰か別人が、手を加えたか、です。
しかし先生は、こんな明白な事実を、歪曲する気にはなれないでしょう。
海外勢の工作員ではないかと思います。
(3)また、例えばNNNドキュメント’15シリーズ戦後70年」
『南京事件兵士たちの遺言』
この清水氏の番組は、ユーチューブに上がっています。
最初に出てくる日記ですが、筆記具がペンらしく見えます。
戦闘参加者による「ペン書き」については、
ペン書きが、南京事件当時の証言史料として出始めた最初の頃から、
これはあり得ない、と、問題になっていました。
清水氏は、それもご存知なかったのか、番組では疑問点の指摘をせず、
日記をしげしげと、詳細に映し出しています。しかし、
*「文藝春秋」昭和62(1987)年5月号より
吉川正司(元都城歩兵第23連隊・中隊長)の「ペン書き」についての意見
「戦争をしている兵隊が毎日毎日、日記がつけられると思いますか!
それに鉛筆書きならいざしらず、インクとは恐れいった。
当時は、ペン書きするには、
インク瓶からスポイトでインクを補充せねばならない時代だが、
戦場へインク瓶を携行するなど考えられない。」
このように、疑問は出されていたのです。
(4)それに、江戸時代からの文献を見てきた私としては、
「日本人」は書かなかった、と思う書き方があるのです。
小野賢二・藤原彰・本多勝一『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち』大月書店
という本がありますが、これにも一部写真があります。
しかし、かなりの日記に共通して、その変な部分があるのです。
このように、一橋大学社会学部長・歴史学研究会委員長・
偕行社メンバーの専門家、中国戦線を戦い抜いた藤原彰氏等が、
「本物だ」と太鼓判を押した手書き日記類は、
偕行社『南京戦史資料集』も含めて、大量にあるようです。
しかし真贋の検討をしていない、これら中国関連資料を使った研究は、
全部無意味です。
上記のように、大量のニセ情報工作が発生しています。
6【全体像についての仮説】
敗戦時は、戦勝国が何でもやりたい放題でした。
罪をでっちあげ、戦犯として処刑するなんてことは、簡単だった。
ねつ造した罪の軽減、待遇改善、解放、これらとの交換条件として、
暴力を背景に、権威者・情報発信力を持つ人物を狙って、
ニセ情報工作の工作員に仕立てれば、それは相当な威力を発揮するでしょう。
私はこれは、連合国国家群の、
かつては世界大戦用プロジェクトだったものを基盤にした、
「 中国共産党の国家プロジェクト」だと思います。
第二次世界大戦中の、元々は中国発だった対日ニセ情報工作に、
連合国国家群が便乗した。
そして45年前からは、これら戦時中プロジェクトを基盤にした、
「中国による、日本を標的とした、世界的な国家プロジェクト」
になったのだろうという仮説です。
チベット・内モンゴル・新疆ウイグルの例を見るまでもなく、
中国の領土拡大、抑圧支配の意思は明白で、軍拡は確実です。
南シナ海・南沙諸島の埋め立て、巨額貸付によるスリランカの港湾取得、
こうした気になる動きと、日本標的のニセ情報工作・軍事的威圧は、
連動しているとみて、警戒を怠るべきではない。
私は、中国関連のニセ情報工作ということで、4千か所以上に送信しました。
私のホームページには4ヵ所、送信済みリストがあります。
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/index.html
誰も反論できません。
最近の新聞社等からの反応は、以下のように肯定的です。
20171221 大月書店(担当部署に転送、貴重意見感謝)
20180103 朝日新聞(担当者と共有、参考にする)
20180105 日経新聞(指摘は担当部に伝える)
20180106 産経新聞(内容確認。担当部署への連絡、
報告書を全管理職に提出など、適宜対応予定)
http://tikyuudaigaku.web.fc2.com/180101sousinnzumirisuto.html
久武喜久代 62歳 神奈川在 suisyou2006@nifty.com